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  • 特集記事

日本が提案するIFRSベースのサステナビリティ報告基準案

日本政府は、ステークホルダーに対する透明性を高めるために、国内で事業を行う組織に対して新たなESG報告要件を検討しています。

Reflection of trees against the glass of skyscrapers

May 23, 2024

日本は、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)のIFRS S1およびS2基準に基づくサステナビリティ報告基準案(以下、本基準案)を公表し、企業の透明性と説明責任の強化に向けて重要な一歩を踏み出しました。本基準案は、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する情報開示と財務報告を結び付けるサステナビリティ報告の標準化を目指す世界的な潮流を反映したものです。

サステナビリティ基準審議会が公表した本基準案は、投資家やステークホルダーに対して、組織のサステナビリティパフォーマンスに関する一貫性のある、比較可能な情報提供を目的としています。この新しい取り組みは、サステナブルな開発を促進し、意思決定に必要な信頼に足るESGデータを求める投資家のニーズの進化に応えるという日本のコミットメントを反映しています。

主要な要件

本基準案では、気候変動、ダイバーシティ&インクルージョン、人権、サプライチェーン管理など、サステナビリティに関する様々な課題を報告する際の具体的な要件を概説しています。組織は、関連するESG指標、目標、パフォーマンス指標を開示し、ステークホルダーにサステナビリティ分野の取り組みとその影響に関する包括的な見解を提供することが求められます。

報告期限

本基準案はまだ草案段階ですが、2025年初頭には、組織は自主的な導入を開始し、報告義務化のタイミングについても後日発表される予定です。このスケジュール案は、組織が新しい報告フレームワークに慣れ、報告プロセスに必要な変更を加える機会を提供するためのものです。

対象

本基準案の公開草案では、どのような組織が報告義務を負うかについての要件は記載されていませんが、最終的に東京証券取引所に上場している約4,000の組織が規制対象になると推測されています。本基準への準拠にあたり、組織は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)のフレームワークとISSBの基準に共通する、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標・目標という4つの基本原則に基づき、サステナビリティ関連情報を開示することが求められます。

組織は、本基準案に照らして現行のESG報告を評価し、何らかの影響がある場合は新しい要件に準拠するための調整を行うことが必要になります。

さらに投資家、アナリスト、その他のステークホルダーは、サステナビリティ報告の透明性と一貫性が強化されることで、より多くの情報に基づく意思決定が可能になるというメリットを享受できます。

国際基準との整合

日本政府は、サステナビリティ報告基準をIFRS S1とS2に準拠させることで、サステナビリティおよびESG報告におけるグローバルなルールとの整合を図り、ESGパフォーマンスの国際比較を容易にすることを目指しています。このような国際基準との整合化は、日本で事業を行う組織のサステナビリティに関する情報開示の信頼性と信用を高めることを目的としており、世界中の投資家やステークホルダーからの信頼性向上が期待されます。

財務情報と非財務情報の統合

本基準案の基礎となる重要な原則の1つとして、財務情報と顧客満足度、従業員エンゲージメント、環境フットプリントに関する組織データなどの非財務情報の統合が挙げられます。組織の業績をより包括的に把握できる統合的な報告手法を提供することで、ステークホルダーは事業の長期的なサステナビリティとレジリエンスを評価し、価値の創造とリスク管理を支援することが可能になります。

気候変動リスクに関する情報の開示

気候変動とそれがビジネスに与える影響への注目が集まる中、日本政府が提案する本基準案には、低排出なエネルギー開発、より効率的な資源管理、サプライチェーンプロセスの強化など、気候関連リスクと機会を開示するための具体的な要件が含まれています。組織は、気候関連の物理的リスクや賠償リスクに加え、低炭素経済への移行に関連するリスク(倉庫の屋根にソーラーパネルを設置することに係るリスクなど)を評価し、開示することが求められます。

さらに組織はこれらのリスクを軽減し、機会として活用するための戦略を開示しなければなりません。

ステークホルダーの関与とマテリアリティ

本基準案では、サステナビリティ報告におけるステークホルダーの関与とマテリアリティが強調されています。組織は、その事業とステークホルダーとの関連性が最も高いESG課題を特定し、優先順位を付けて、有意義かつ実行可能な情報提供に注力することが推奨されています。

日本のISSBベースのサステナビリティ報告基準案は、ESG情報開示の標準化に向けた世界的な取り組みにおける重要なマイルストーンとなります。国際基準との整合、財務情報と非財務情報の統合、気候関連リスクの開示強化を通じて、本基準案は、日本で活動する組織の透明性、説明責任、サステナビリティパフォーマンスの向上につながることが期待されます。

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