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UL 2056試験でモバイルバッテリーの安全性を強化

モバイルバッテリーは、スマートフォンなどのポータブル電子機器の使用の増加により、必要不可欠な存在になりました。製品の安全性の実証は、メーカーが事故を回避し、リスクを低減する一助になります。

Person plugging in their mobile phone into a power bank

絶えず移動する消費者は、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなど、増え続けるポータブル電子機器を充電し、すぐに使える状態をキープするための電源を必要としています。世界のモバイルバッテリー市場は、2030年までに134億8,000万米ドルから310億6,000万米ドルまで、年平均成長率(CAGR)8.3%のペースで成長すると予測されています。 

モバイルバッテリー使用の急増に伴い、発火事故の懸念が高まりつつあります。発火、爆発、製品リコールなどの安全に関わる事故の増加により、世界のモバイルバッテリー業界に対する監視が厳しくなっています。このような事態は、複数のグローバルブランドに影響を及ぼし、いくつかの市場で規制措置が講じられました。こうした事故をふまえ、安全要件への準拠を実証することが、メーカーにとってますます不可欠になっています。

モバイルバッテリーに起因する世界的な安全に関わる事故:

 

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フライト中の発火事故 – 韓国(2025年1月)

エアプサンの香港行き旅客機で、フライト中にモバイルバッテリーが発火し、金海国際空港への緊急着陸を余儀なくされました。乗客176名のうち、数名が軽度の火傷を負いました。この事故をきっかけに、韓国全土で航空安全に関する警告が発せられました。 

 

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米国のリコール

米国消費者製品安全委員会(CPSC: Consumer Product Safety Commission)は、発火・火傷の危険を理由に、複数のモバイルバッテリーのリコールを発表しました。そのうちの1件では、19件の火災や爆発、2件の火傷事故、6万米ドル以上の物的損害が報告され、100万台以上がリコール対象となりました。 

 

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中国規制当局による厳しい取り締まり

中国の国家市場監督管理総局(SAMR)と中国認証認可監督管理委員会(CNCA)は、モバイルバッテリーの安全性を検査し規制するための全国的な取り組みを開始しました。これにより、数千の中国強制製品認証(CCC認証)が一時停止となり、非認証製品や非準拠製品に対する取り締まりが強化されています。  
 

中国は先日、機内でのモバイルバッテリーに起因する発火事故を受けて、航空当局が安全規則を強化したことから、2025年6月28日以降の全国内便で非認証モバイルバッテリーの機内持ち込みを禁止しました。今後、乗客は、中国強制製品認証(CCC認証)の公式マークのないモバイルバッテリーの機内持ち込みが認められなくなります。 

これによる影響は?

安全にかかわる事故による経済的損害と風評被害は甚大なものになりかねません。メーカーは、物流、交換、廃棄など、製品リコールに関する多額の費用を被る可能性があります。また、消費者訴訟や規制上の罰金によって、法的リスクが急速に高まるおそれがあります。しかし、最大の損害は、多くの場合、ブランドへの信頼の低下に起因します。失われた消費者の信頼を取り戻すのは困難です。実績に定評のある国際ブランドでさえ、安全にかかわる事故を受けて、国民の激しい反発にあい、メディアから厳しく批判されています、

UL 2056認証のメリット

モバイルバッテリー規格UL 2056は、過充電/放電保護、ショート防止、過負荷試験、落下・衝撃耐性、熱的安定性など、安全上重要な側面を網羅しています。UL 2056認証は、当該製品が消費者の安全と規制コンプライアンスに関する試験を受けたことを証明するものです。注目すべき点は、UL 2056は先日、米国労働安全衛生管理局(OSHA)の試験規格リストに追加され、UL Solutionsが本規格を試験する最初の米国国家認証試験機関(NRTL)となったことです。

検討すべき戦略的措置

 

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事前対応型の安全対策を講じます。

今や、モバイルバッテリーに起因する安全にかかわる事故は、単発的・例外的な事象ではありません。こうした事故は、世界中で増加の一途を辿っています。メーカーは、安全上の重大な欠陥による予期せぬ影響に対処できる体制が整っているかどうか、自身に問う必要があります。次の失敗例にならないためには、事前対応型の安全対策が極めて重要です。 

 

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1つのバッテリーセルの不具合でブランド全体の信頼が揺らぎます。

たった1つのコンポーネントに不具合が見つかっただけで、製品ライン全体の安全性が危ぶまれる可能性があります。こうした不具合は、消費者に危険を及ぼすだけでなく、長年にわたるブランド構築を台無しにする可能性があります。すべてのコンポーネントが認証済み安全規格に準拠することが、ブランドインテグリティの維持に極めて重要です。 

 

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安全は機能ではなく、基盤です。

消費者は、最初から製品が安全であることを期待し、規制当局はそれを要求します。UL 2056は、このような期待に応える構造化されたフレームワークを提供します。安全対策は、設計・製造・品質の各プロセスに組み込まれるべきものであり、後付けで対応すべきものではありません。

 

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規制当局に迫られてから対応することは避けてください。

規制環境は厳格化の一途を辿っています。強制措置を待っていては、罰金、製品の使用差し止め、市場での販売機会の喪失にいたる可能性があります。先手を打ってコンプライアンスに取り組むことで、メーカーは責任ある先見性のある業界リーダーとして自身を位置づけることができます。 

 

UL Solutionsがお手伝いします

UL Solutionsは、バッテリーの評価と試験において、40年以上の経験を有しています。当社の製品試験・認証サービスは、メーカーが安全規格と安全規制への準拠を示す一助になります。 

UL 2056認証を提供するNRTLとして、UL Solutionsが、技術サポートを提供し、予備調査や、モバイルバッテリーの総合試験と認証を支援します。 

当社は、安全規格と安全規制への準拠を示すことができるよう支援できます。

執筆者について

Jakub Kąckiは、UL Solutionsに20年間在職し、現在消費者・医療・IT部門のグローバルビジネス開発マネージャーを務め、ポータブル、ウェアラブル、マイクロモビリティ、単電池などのバッテリーセクターや、グローバル市場へのアクセス、人工知能(AI)サービスに重点的に取り組んでいます。社内外のステークホルダーと連携し、バッテリー、IT機器、消費者向け電子機器、マイクロモビリティなどのアドバイザリー、評価、試験、認証、規制に関するサービスとプログラムの進歩に尽力しています。

 

注:

UL Solutions is the first NRTL for UL 2056.(※本記事は、英語のオリジナル記事が作成された時点での情報に基づく参考和訳です。)

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当社は、安全規格と安全規制への準拠を示すことができるよう支援できます。

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